東京高等裁判所 昭和39年(ツ)172号・昭39年(ツ)171号 判決
右上告人の本件賃貸借契約の解除の意思表示は一部に関してのみ効力を生じ、一部に関しては無効であるとの主張は、本件記録によれば、右上告人において、原審においてなにも主張していないところである。そればかりではなく、本件契約のように当初から一個の契約でなされている以上右上告人の無断譲渡または転貸が、賃借地の一部についてなされたとしても、賃借人の右のような債務不履行は、特別の事情の存しない限り、賃貸借契約全部についての債務不履行と解するを相当とする。それなのに、右上告人は右のような特別の事情の存することについては、上記のように、原審においてなにも主張していないのであるから、被上告人のなした本件賃貸借契約の解除の意思表示が全部について効力が生じたと判断した原審の認定判断は相当で、論旨は理由がない。
(村松 江尻 杉山)